職場で輝く女性
vol.01
女性がライフステージに合わせて自分らしく働ける職場です
ヘアサロン ビバーチェ マネージャー 伊藤 聡美さん
現在のお仕事内容や、キャリアパスを教えてください。
浜松市の美容院「ビバーチェ」に入社して20年になります。女性スタッフがメインのサロンだったこともあり、若いころからさまざまな経験を積ませてもらいました。女性の場合、キャリアプランを描くにあたって、結婚や出産というライフイベントを考慮することが多いと思います。私自身、結婚・出産を経験して今に至りますが、職場に復帰することには何の支障もありませんでした。家庭や子どもの環境・状況が変わるのに合わせて、勤務形態も含め「自分に合った働き方」を見つけて、実践できる職場だったからです。たとえばパートであっても、意欲と能力を持った人材は店長や管理者として受け入れ、責任のある仕事を自分のペースでこなせる環境を与えてくれるので、皆、やりがいを持って働くことができます。
ママさんスタッフも、以前より増えてきました。同じ境遇のスタッフがいることで、悩みを相談し合えたり、協力や助け合いが自然に起きたり、良い効果が生まれている気がします。
普段のお仕事では、どのようなことを心掛けているのでしょうか。
独身のころは本当に仕事が好きで、お休みもいらないと思うほどでした。それでも、いろいろなものを見たり、人に会ったり、講習やセミナーに行ったりと、休日ならではの時間の使い方によって、自分の知識の幅を広げたり、仕事とは異なる情報を吸収することができました。スタイリストデビューをして1年がたったころ、店長に就くことになりました。経験が浅く技術もまだまだ未熟で、不安しかありませんでしたが、オーナーや先輩、スタッフの支援に応えるため、頑張るしかないと決意しました。
最初は試行錯誤の連続で、前店長を意識するあまり自分を見失っていたような気がします。もちろん結果もついてきません。そこで気づいたのです。誰かのマネではなく、私のやり方でスタッフを大切にしなければ!と。3年目にやっと、自分の想いがかたちになり始め、店長職が楽しく感じられるようになりました。私自身、良い意味で「自由」を大切にしてきたので、スタッフにも細かい指示を出しすぎず、自ら考えて行動してもらいました。
私がそのころから良く口にするようになった言葉は、「イイじゃん!」「うまいね!」「できるよ!」などです。「注意や叱責をするのが苦手」というのも、私の悩みだったのですが、ならばむしろ、積極的に「ほめる」スタイルで指導しようと発想を切り替えたのです。その方針は今も変わりません。子育てで学んだ考え方や感覚も取り入れて、ストレスをためないよう、スタッフとの関わりを大事にしています。
ワークライフバランスで工夫しているポイントは何でしょうか。
私は現在、パートの立場ですがマネージャーを務めさせてもらっています。正直、時間にはいつも追われていますが、そのぶん密度の高い毎日で、充実感に満ちています。もちろん、自分の力だけでできることは限られているので、保育園や学童も大いに利用させてもらっています。時間が短くても、ママさんスタッフでも、活躍できることを実感します。時には管理職という肩書きが少し重く感じられることもありましたが、誰でも引き受けられる役割ではないので、後進の良い目標になれるよう、与えられた職務を頑張っていこうと思います。
ビバーチェは不定休で営業していますが、スタッフの休日は多いです。ママさんスタッフには、学校や地域行事への参加もあるので、その都度お休みをもらえるのがありがたいです。また、時には1人の時間を楽しむこともできます。美容師として働くには、自分磨きも大切。次の休日のプランを立てるのも、楽しみのひとつです。
上長が語る、職場での活躍の様子
有限会社ビバーチェ 代表取締役 相津 ゆみ子さん
ビバーチェは平成4年創業の、地域密着型のサロンです。スタッフが成長していく姿は、頼もしくもあり喜びでもあります。初期から活躍してくれている彼女も現在は2児の母で、日々の仕事の中から、「スタイリストとして、お客様の髪型や髪質にあったさまざまな提案を通して、さらに素敵になっていただきたい」という気持が伝わってきますし、管理職としても手腕を発揮しています。新規のお客様の来店につなげるため、サロンでは最近SNSによる情報発信に力を入れていますが、少しでも多くの方にサロンの様子を知っていただけるよう、率先してブログをアップしています。また、時間を見つけては、後輩や新入社員のそれぞれのレベルに合わせた技術指導に取り組んで、サロンワークへの自信を植え付けてくれています。自分の目標を達成しつつ、後輩に無理のない予約を配分することにもたけています。数値が伸び悩んでいるスタッフに対する声掛けも的確で、若いスタッフの気持ちの揺れを敏感に感じ取ってアドバイスをするなど、頼もしい限りです。育児という経験も彼女にパワーを与えているのではないでしょうか。これからも女性が安心して働ける職場づくりを、彼女をはじめスタッフ全員と共に進めていきたいと思います。