vol.04
東和セキュリティ株式会社代表取締役 内山 達也さん
交通誘導警備部門 渡辺さん 年齢:72歳(取材時)
取材時:2022年10月
東和セキュリティ株式会社は、地域や企業の日常の安全安心を守ることを使命とし、特に重要な社会インフラである電気施設を維持する各種工事に携わる警備会社です。昭和55年に設立し、従業員83人、30代から70代後半まで幅広い年代が従事する当地では中堅規模の会社です。
東和セキュリティ株式会社は、地域や企業の日常の安全安心を守ることを使命とし、特に重要な社会インフラである電気施設を維持する各種工事に携わる警備会社です。昭和55年に設立し、従業員83人、30代から70代後半まで幅広い年代が従事する当地では中堅規模の会社です。
高齢者雇用に対する方針や考え方を教えてください。
警備業界のイメージどおり、高齢者雇用を積極的に取組むことが業界の必然となっています。令和4年10月1日現在、平均年齢は61.9歳、65歳以上は40名、うち70歳以上は29名で高齢化が非常に進んでいます。高齢者雇用のメリットは、職歴に配慮することで、その経験を活かし業務に真摯に向き合ってくれる事です。日々人員配置を行うシフト業務で、柔軟な対応をしてくれています。交通誘導警備・葬祭警備は、共に外で体を動かす仕事で、重たいものは持ちません。弊社は79歳の方が最高齢で、健康を維持して元気に活躍しています。会社の依頼で現場に赴き、基本的には2~3時間、フルタイムなら8時間業務をこなし、お客様や通行人、施設利用者と会話することは、生活する上でのモチベーション維持に繋がるのではないでしょうか。
企業の多くは、定年延長という形で高齢者を雇用することが一般的だと思います。しかし、警備業は、60歳がスタートです。今までの経験を活かしながらも新たな事にチャレンジして、10年20年と現役を続けていく事が、警備業の醍醐味と考えます。
高齢者が働きやすい職場づくりの工夫を教えてください。
葬祭警備は、2~3時間、長い時で5時間程度の勤務となります。お小遣いを稼ごうという方には丁度良い時間です。365日いつ依頼が来るか分かりません。日々、体調の維持を心掛けてもらっています。交通誘導は8時間勤務であり、一週間のシフトによりますが、本人の働き方により13日~14日の勤務を選択している者も多くいます。常駐の警備は、深夜の勤務が多いことから体力的に従事する者は少ないです。極力、従業員の体調をヒアリングして月単位のシフトを作っています。交通は年1回、常駐は年2回の健康診断(人間ドックを選択可)を実施して、健康状態の把握に努めています。健康状態により、他の業務への異動を勧めることもあります。直行直帰の業務であることから毎日の観察は不可能ですが、会社に顔を出すタイミングがあれば、個別に総務・管制・代表が声を掛けて状況を聞き取っています。盛夏の交通誘導は、熱中症対策が必須です。3年程前から空調服を支給しているほか、飲料水を持ってパトロールを実施するなどの対応を行っています。真冬は、防寒服や携帯カイロの支給などを行っています。
高齢者に過度の期待を寄せることは、会社を維持する上では決して良いとは考えません。バランスの取れた年代を幅広く雇用し、若い人とペアを組ませることで、高齢者の業務の負担を減らすことが大事です。「ユースエール認定」※などを取得し、若者の雇用も推進して、若者と高齢者が共に生き生きと働ける職場を作ることが弊社の目標であります。
※若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度
実際に働いている感想や働くことへの思いを教えてください。
愛知県の電気高校を卒業し、名古屋の電子部品メーカーで働いていましたが、結婚を機に妻の実家がある浜松市に引っ越してきました。義父の紹介で、前職と同様に電子部品メーカーに就職しましたが、景気の影響によりリストラされ、平成14年に現在の会社に入りました。最初は交通誘導警備をやっていましたが、会社の要請により常駐警備も経験しました。しかし、性格が合わなかったこともあり、再度交通誘導に再配置してもらい、現在に至っています。現在の業務は、主に天竜・春野・浜北方面で電線に掛かった枝の伐採作業を行うクルーに帯同し、交通誘導を行っています。
時間でどんどん現場が変わる事から、カーブの多い山間地の現場は、立ち位置に非常に気を配り仕事をしています。現場が遠方であることから朝早く出かけ、待機場所でのんびり小説を読んで時間を潰し、始業前は柔軟体操などを行って準備をします。業務は残業なくほぼ時間通りに終了します。
目標は、80歳まで現役で仕事をすることです。休暇の取得は、事前に申請をしておけば柔軟に人員配置をしてくれるので、非常に働きやすいです。休暇の日は、趣味の映画やアニメの鑑賞を楽しんでいます。現在、入社2年目の39歳の青年と仕事をしています。彼に仕事のノウハウを教え、現場リーダーに育てることで、私の負担も軽減されます。目標の80歳も夢ではありません。生涯現役で人生を楽しんでいきたいと思います。