vol.03
社会福祉法人慶成会法人本部人事担当 小澤 香さん
小規模多機能ひがしやま 鈴木 ノブヱさん 年齢:79歳(取材時)
取材時:2022年10月
慶成会では、福祉・保育・医療が連携した村「ヴィラージュ構想」を基本にワンストップサービスの実現に向け、介護・保育・医療サービスの充実に努めてまいりました。地域で悩みを抱えるお年寄りへの介護サービス、将来を担う子供達を育成する保育事業、そして医療面から健康を支える東山診療所を併設し、社会的弱者を支える法人として地域に寄り添いながら各種サービスを展開しております。
おかげさまで11月に28年目を迎えますが、これからも地域の皆様に愛され喜ばれるサービスを目指してまいります。
慶成会では、福祉・保育・医療が連携した村「ヴィラージュ構想」を基本にワンストップサービスの実現に向け、介護・保育・医療サービスの充実に努めてまいりました。地域で悩みを抱えるお年寄りへの介護サービス、将来を担う子供達を育成する保育事業、そして医療面から健康を支える東山診療所を併設し、社会的弱者を支える法人として地域に寄り添いながら各種サービスを展開しております。
おかげさまで11月に28年目を迎えますが、これからも地域の皆様に愛され喜ばれるサービスを目指してまいります。
高齢者雇用に対する方針や考え方を教えてください。
介護・医療サービスは国内において一大産業となり、その従事者は500万人を超えています。しかしながら、今後、団塊の世代が後期高齢者となり高齢者人口が増える中、増々介護が必要な対象者も増えることが予測されます。現在の従事者に加え、まだまだ多くの介護人材が必要とされる一方、実際に仕事に就く人の数は決して多くはありません。介護の技術は一朝一夕に獲得できるものではなく、長いキャリアの中でお年寄りとコミュニケーションを築き、相手に合わせて信頼を得ながら支援を進めていく仕事です。過去に定年を迎え退職される方を送り出すときに、「本人の元気とやる気があれば、まだまだ活躍していただきたい・・・」という想いがありました。
そのような背景から、当法人では、現役を退いても健康で働く意欲が高い高齢者の雇用を積極的に進め、活躍いただける場を提供することで、安定した人材の確保に努めています。ベテランならではの経験の豊富さを活かしつつ、組織の活性化に繋げることができ、職場にとても良い影響を与えてくれています。雇用上の年齢制限はありますが、今後は本人の希望により柔軟な雇用を進めていきたいと考えています。
高齢者が働きやすい職場づくりの工夫を教えてください。
職員の約15%が65歳以上ですが、それぞれの希望により、働き方は様々です。具体的には、フルタイムではなく短時間勤務を主にし、一週間の勤務日を少なくしたりフレックスを導入したりと、それぞれの体力に合わせできるだけ長くお仕事を続けられるよう、柔軟な勤務形態を取り入れています。したがって、介護職や看護師、リハビリの資格を活かし、専門職としての技術が求められる現場で定年後も引き続き務めている職員が多くいます。また、経験豊富な高齢職員が指導を行い、次世代の人材育成に繋げられることは法人にとって一つの大きな魅力です。一方、定年退職後に介護の仕事をしてみたいと入職する職員もいますが、介護現場をサポートする送迎運転手や、介護の補助、環境整備が求められる営繕の仕事など活躍の場は非常に多く、その職種は多岐にわたります。
いずれも、より良いサービスを提供していく上でなくてはならない仕事であり、それぞれが高いモチベーションを持ちながら現役世代の職員と同等に活躍しています。
一から福祉のことを学びたい方には、研修会への参加や資格取得の情報提供を行っています。目標を持ち、仕事への意欲が高い職員は実際に介護の資格を取得し、第二の人生を生き生きと歩んでいます。
実際に働いている感想や働くことへの思いを教えてください。
慶成会には多くの介護サービスがありますが、その中で「小規模多機能ひがしやま」という事業所の看護師として働いています。専門学校で看護師の資格を取得して以来、長い間浜松市内の総合病院で働いてきました。キャリアを積み、病院では婦長という立場で忙しい毎日を送ってきましたが、定年退職後は開業医の元で働き、その後縁あって慶成会のデイサービス事業所で働くことになりました。間もなく80歳ですが、若い頃から途切れることなく働いてきたおかげか今まで大きな病気をしたことがありません。健康を気遣い、年に2回ほど定期的に健康診断を受けています。現在の勤務時間は週5日ですが、勤務先の配慮もあり、1日6時間勤務に抑えています。体力のことを意識し無理をしないよう心がけていますが、今の生活リズムが自分には合っており、働く意欲を持ちながら生活を続けることは大きな活力となっています。
デイサービス事業所では看護師も介護職員と一緒に業務を進めることが求められます。自分より若い世代の職員と働く中で、時々介護への想いや考え方について差を感じることもありますが、一方で仕事を通して様々な刺激を得ることができたり、経験に基づきアドバイスをしたりすることもあります。人から頼られ喜んでもらえることがとても嬉しく、多くの仲間に支えられながら楽しく働くことが自分自身の生きがいにも繋がっています。
現役時代、仕事と折り合いをつけながら組織のことを学びたいと思い、京都の大学に通っていたこともありました。今でも学習意欲が強く、機会があれば大学へ入り直し高齢者領域について改めて勉強をしてみたいと考えています。併せて、仕事柄認知症高齢者と関わる機会が多く、皆さんに喜んでもらえるようオカリナの演奏にもチャレンジしたいと思っています。また自分の時間も大切にし、コロナが落ち着いたら若い頃から趣味としている旅行を再開し、日本国内北から南までの名勝を訪ねたいと考えています。残された人生において、後悔しないようまだまだやりたいことに挑戦していきたいと思います。